概要
エルダリーガーデンは、地域のご家庭・病院でおられる要介護・要支援の方をお預かりし、医療の下のケア・リハビリによって介護の軽減・予防を促し、何度でも在宅へ復帰していただく、在宅復帰支援型の介護老人保健施設です。
法人名称 | 医療法人 徳松会 |
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施設名称 | 老人保健施設エルダリーガーデン |
住所 | 〒770-0045 徳島市南庄町4-60 |
電話番号 | 088-632-3393 |
Fax | 088-631-0133 |
管理者(役職名) | 松永 慶子(施設長/医師) |
事業の開始年月日 | 1991年4月18日 |
介護保険指定年月日 | 2000年4月1日 |
介護保険指定事業所番号 | 3650180163 |
入所 | 定員52名(うち認知症対応20名) 在宅復帰支援加算~在宅強化型加算 算定中 |
通所リハビリ | 定員毎日30名 短時間対応可 お休み日曜(祝日は対応) リハマネ加算Ⅱ 算定中 |
ヘルパー派遣 | 定員60名 お休み日曜(祝日は対応) |
居宅介護支援 | 定員200名 お休み日曜祝日 |
協力病院 | 松永病院 |
医師 | 2名 |
主な専門職員の配置(常勤、非常勤を含む)
管理医師 | 1名 |
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介護職員 | 26名 |
看護職員 | 21名 |
作業療法士 | 5名 |
理学療法士 | 2名 |
歯科衛生士 | 1名 |
管理栄養士 | 2名 |
社会福祉士 | 4名 |
介護福祉士 | 11名 |
介護支援専門員 | 6名 |
訪問介護員 | 6名 |
私たちの志
脳卒中になったら最後、歩けず、外にもいけず、家にも帰れず、点滴のときはベッドにくくりつけられ、
お尻には大きな褥創(床ずれ)があるような・・・。
小児科のお医者さんだった私が、縁あって老人保健施設を立ち上げる事になって、最初に思ったのが
「ねたきり老人病院にはしない」事でした。
「エルダリーガーデン」という名前は、
英語の「キンダーガーテン(幼稚園)」から発想してつけられました。
老人保健法施行とともに始まった、老人保健施設。最初から、「終の棲家ではない、在宅に復帰するための中間施設」と位置づけられており、在宅生活を助けるためのショートステイ・デイケアが併設必置でした。
「そうか、介護の必要なお年寄りを抱えた、ご家族を助けるための施設なんだな、
だったら、お年寄りのための幼稚園と同じだな(ちょっと語弊があるけど・・・)。」
そんな発想からつけられた名前です。
ご自宅や病院で居られた、寝たきりに近い御高齢者をお預かりして、いざ、1日10回の移乗が始まると、苦労の連続でした。3度の食事と午前・午後のリハ・レクの5回の離床。布団から離れ、また布団に返る。
中には30分と座っておられず「布団に返して」と言われる方も。
状態の重い方々を1時間~2時間も惹き付けておく術が、最初の頃はスタッフにはありませんでした。
「こんな老い先短い年寄りを、あんたら何故動かすのか?」
その頃はそんな常識もありました。でも私たちは固く信じていました。
「座れないんじゃない。座る機会が無かったから座れなくなっただけ」。
確かに。3ヶ月もすると、皆が気付くようになる。座れなかった方が、座れるようになってきました。
今では生活リハ、と一言で言いますが、私たちは残存能力のある方には過剰な介護はしません。
1日10回の移乗時には、できる限り足底を着地させ、お尻を上げてもらえるのなら丸抱えもしません。
ベッド上仰臥位から車椅子端座位に至る動作分析と介助の仕方は、15年間変わっていません。
一度他に転職し、数年後に復職したスタッフが驚く程だ。「何一つおろそかにされてない。そのままだ」
きつい、と思われる事もあったかもしれません。だけど15年間やってきて、
うちの御利用者は本当に「ぴんころ」だ。(ぴんぴんころり、の事。語弊があって御免なさい)。
可能な限り皆と移動し、食堂でご飯を食べ、確かに老いはやってきて亡くなられる日は来るにしても、
数日寝たきりとなるにしても、褥創(床ずれ)は発生しません。
平成5年、在宅介護支援センターの委託を頂きました。
老健施設でプールを持っている施設は珍しく、水中リハを取り入れたデイケアが
随分と在宅の御利用者に支持して戴いていました。
ヘルパー派遣も始まり、いつも私たちは自問自答しています。
「在宅復帰に、どこまでこだわるべきなの?」
在宅支援センターの仕事を通じて、実子や親戚もなく、近所つきあいも無い御利用者が、お一人で年を重ねてゆく現実を数多く見させて戴いた。綺麗ごとではなかった。医療職だけでは残ってしまう隙間。
ソーシャルワーカーという素晴らしい仲間がいなければ、この隙間は埋められなかった。
彼らは高齢者医療・高齢者福祉の中心になってゆく、皆がそう予感していました。
平成12年、介護保険がついに始まりました。
老健施設の暗闇の時代。「老健施設は特別養護老人ホームと同じ(終の棲家)になる。」と言われました。
私たちの施設にも押し寄せた長期入所化の波。
外出も外泊もできない御利用者が少しずつ増えてしまっていた。哀しみ。
いくらリハを励行しても、御利用者は目標を達成できない。
ある年、スタッフ皆に聞いた。「何故、在宅復帰できないの?」
現場から出る、様々な意見。その中で浮かび上がってきた、御利用者の、人間の心理。
「御利用者は本当は全員ご自宅に帰りたい」
「ご家族への遠慮があって言い出せない」
「ご家族は施設に預けておけば安心という事もあって、帰宅については言い出さない」
・・・それなら、職員が御利用者とご家族の間を取り持とうよ。そんな機会を増やそうよ。
ここでも足らなかったのは、やっぱりソーシャルワークでした。
平成18年の介護保険見直し。老健施設の在宅復帰機能が再び盛り込まれました。
ちょうどケアマネージャーも社会福祉士も、十分な要員が確保でき、
いつの間にか「本日2名退所、3名入所」というような回転のある部署に再生していました。
そして今、殊更に思う。
介護保険施設のあり方は色々あるだろう。終の棲家を追求するのも良いでしょう。
だけど、私たちが今までやってきた事を社会に還元するのなら、私たちは在宅復帰支援施設で有り続けたい。
「オムツになっても、認知症が出ても、おうちに帰っておいで」
そうやって迎えてくれるご家族を、環境を、この社会の中に残していきたい。
エルダリーガーデンはガーデン(園)ですからね。
必要な時に立ち寄って、おうちに帰って、また立ち寄って。
そんな風に行ったりきたりして親しんでいただければ、これ以上の事はありません。
エルダリーガーデン施設長 松永慶子